本保 元次郎教授
研究室の概要
(キーワード:凝固工学、機能材料)
本研究室では,千葉工業大学で開発された新素材製造法OCCプロセスの研究,高温条件下での超音波解析法開発,温度ヒューズ材固体圧接法の開発,超軽量マグネシウム合金材料の加工法の開発等の研究を行っています.
研究は,主に創造開発型の実験中心で,卒研生は院生とペアで研究を進めています.カナダのトロント大学やフランスのコンピエーニュ大学との共同研究も行っています.
研究テーマ
1.OCCプロセスによる新しい特性を持つ各種機能材料の開発
単結晶製造用の特殊な連続鋳造装置を用いてアンテナ用超弾性・形状記憶合金線,AVケーブル,無公害温度ヒューズ素材,熱電半導体,高性能磁石,高強度一方向整列組織材等の先端・機能材料の開発を行っています.
図 単結晶連続製造装置
作製したアンテナ用超弾性合金線
2.高温条件での超音波解析法の開発研究
図 CBR超音波解析装置
この研究は,今までは不可能とされていた高温条件で起こる溶融金属中の各種現象を測定する研究です.開発した特殊なCBR(クラッドバッファロッド)を用いて得られる鮮明な超音波エコーを捉えてコンピュータにより解析します.この研究により,現在までは知られていなかった溶融金属内での正確な音速変化や凝固界面特性が明らかにされるだけでなく,溶融金属内の高精度測定技術として応用が期待されています.
3.温度ヒューズ材固体圧接法の開発
無公害で高精度なマイクロ温度ヒューズ開発の一環で進められている研究です.実験では,融点が80~300℃となる各種温度ヒューズ用合金を試料として,真空加熱加圧プレスにより製品形状に圧接製造する方法です.
4.超軽量マグネシウム合金材料の加工法の開発
実用金属中最軽量のマグネシウム合金を素材としたパイプ材料は,これからの超軽量構造材として注目を集めています.この研究では,マグネシウム合金の強度及び変形特性から最適な曲げ加工装置及び条件を研究しています.さらに,この材料を用いた超軽量自転車や車いすへの応用も検討しています.
図 真空加熱加圧プレス装置
図 マグネシウム合金パイプ曲げ加工装置