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研究室紹介

内田 史朗教授

研究室の概要

(キーワード:エネルギー、光電変換効率、太陽電池、多接合太陽電池、集光)



 本研究室では再生可能エネルギーの候補として有望視されている太陽光発電を中心にエネルギー関連の研究テーマに取り組んでいる。現在、一般に普及している太陽電池は太陽光エネルギーをわずか15%程度にしか電力エネルギーへ変換できていないが、我々はその変換効率を大幅に改善できる特殊な材料を用いた多接合太陽電池の研究に重点的を置いている。この多接合太陽電池は宇宙用太陽電池として実用化されているが、地上でもレンズを用いて集光することで変換効率を飛躍的に高められる。本研究室では変換効率50%を目指して、世界記録に挑戦し続けている。

研究テーマ

1.集光型多接合太陽電池セルの開発

 本研究室では、他大学や学外の研究機関と協力して実際に太陽電池の開発を進めている。太陽光を効率よく電気に変換させる為にまず図1のように太陽光をレンズで集光する。これには2つの効果があり、ひとつは光のエネルギー密度を上げることで太陽電池セルの電圧(開放電圧)が増加する効果である。2つ目の効果は、集光によって光のスポットが小さくなり太陽電池セルの面積を小さくすることができるので材料コストが低減できることである。

 さらに、他の研究機関ではあまり実施されていない特別な方法により材料が異なる複数のセルを結合させることで、従来型のシリコン太陽電池では捨てていた赤外光線をも取り込むことができる(図2)。この多接合セルを上記の集光方式を組み合わせれば、太陽光エネルギーを無駄なく吸収でき、より効率よく電力に変換できる。我々は新規の材料・構造を検討しながら変換効率改善の研究を進めている。

図1 従来型太陽電池と集光型太陽電池
図1 従来型太陽電池と集光型太陽電池

図2 太陽光スペクトルの吸収波長領域(単接合 vs多接合型太陽電池)
図2 太陽光スペクトルの吸収波長領域(単接合 vs多接合型太陽電池)

2.多接合太陽電池セルの新規評価技術の開発

 太陽電池セルは、擬似太陽光を発するソーラーシミュレータという装置を用いてその特性を評価する。本装置では、電流電圧特性から、実際の太陽光下での変換効率を予測することが出来る。但し、複数のセルが合体した多接合セルは一体化しているので、この装置だけではそれぞれのセルの詳細分析ができない。この課題を解決する為には特殊な評価技術が必要である。本研究室では、特別な光を当てる、高温下に置くなどの測定を行い、セルの新規評価技術の研究を行っている.

(目標);変換効率50%を目指す!
図4にこれまでの太陽電池の変換効率改善の歴史を示す。現在の世界最高記録は、ドイツとフランスの共同研究による46.0%であるが、これに追随し追い越すよう日夜研究を進めている。

図4 太陽電池の変換効率改善の歴史
図4 太陽電池の変換効率改善の歴史

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